構造用合板。

以前、ブログで当事務所では基本的に外壁の下地に

構造用合板を使用していないと記載しましたが、

今日はその理由について書きたいと思います。

構造用合板は面で建物を支える材料で最大(柱の両面張り)で

壁倍率5倍までとることができます。専門用語の壁倍率だと

わかりにくいので簡単に言いますとある建物を構造計算して

X方向(建物を平面に見て横の方向)、Y方向(建物を平面に見て縦の方向)

それぞれに40の壁の力が必要とします。

壁倍率5倍だと40を5で割って8なのでX方向、Y方向に8コマ必要となります。

※1コマ=91cmと考えてください。

筋かいだと最大4倍(たすき掛け)なので同じ建物だと10コマ必要となるので

構造用合板に比べると開口部をとれない壁が多くなります。

ただ施工手間を考えると構造用合板は厚みが出るので外壁側全面に張る

必要があり(全面張らずにする方法もありますが手間がかかります。)、

費用的にも30坪の家で筋かい仕様に比べると10万円前後のUPになります。

また通常、構造用合板の外に透湿防水シート(湿気は通して、水は通さないシート)を

貼るのですが、構造用合板を張ってからの施工なので、外壁から雨が入らないように

なるまでに時間がかかります。構造用合板は全面にボンドがついているので湿気を通さず、

外側に貼っている透湿防水シートの透湿部分の意味がなくなり、壁内部で結露する

可能性がUPしてしまう(構造用合板1枚あたり9ミリくらいの穴を3つあければ大丈夫ですが、

手間も増え、その穴からしか湿気が抜けない)等があります。

※構造用合板以外の材料で性能的な付加価値がついて湿気も抜ける材もありますが、

価格UPになります。

私なりにその他のメリット、デメリットも考慮して構造用合板を使用せずに筋かいを

使って建物の構造を考えるようにしてます。

このあたりの知識は工務店に勤めていたときに先輩等から学んだことで

建物の性能を考えるのにとても役立っています。

上記について、更に詳しく知りたい方はホームページのお問い合わせフォームから

ご連絡ください☆